「こたつでスヤスヤ」

ナックルズはリビングのこたつで居眠りしていた。

こたつにシャドウが入って来た。

ソニックが滑り込んできた。

最後にジークがやって来たが、四角いこたつの一辺はテレビにくっついていたので、ジークの座れるスペースがなく、ジークは諦めてリビングから出ようとした。ソニックがジークの尻尾を掴み、寝ているナックルズの隣りに押し込んだ。

ナックルズは夢を見ていた。

エンジェルアイランドで、動物たちを可愛がりながらフルーツをお腹いっぱい食べる夢。島の中はポカポカして温かく、仲間たちがニコニコ笑っている。

ナックルズは幸せいっぱいで動物を抱きしめ、フルーツにむしゃぶりついた。

ジークも夢を見ていた。

氷に閉ざされた世界で、たった一人歩いていたら、洞窟の中に灯りが見える。中から突然誰かの腕が伸びてきて、ジークはなすすべもなく捕らえられた。

逃げようともがくが、逃げられず、洞窟の中に引きずり込まれる。悲鳴をあげようとしても、声が出ない。何者かの牙が頭に刺さる。もうきっと助からない。腕の中で諦めて力尽きようとしたが、身体がぽかぽかと温かい事に気付いた。

このままずっと、こいつに捕らえられているのもいいかもしれない。

ジークはそっと目を開けた。

すると、視界いっぱいに鮮やかな赤い毛並みが広がった。身をよじらせて顔を上げると、ナックルズの寝顔が見えた。

気付くと、こたつに潜り込んで爆睡しているナックルズに抱きしめられ、頭に噛みつかれていた。

ジークは脱力してナックルズの腕を枕に、なんとか寝返りをうった。

視線がかち合う。

隣りに座っているシャドウが、血走った目つきでジークを凝視していた。

ジークの身体が氷点下まで下がる。

ナックルズの腕をほどこうとしたが、ナックルズはさらに力を強めてジークをこたつの中に引っ張り込んだ。

ジークはうめいた。

こたつの中で力いっぱい抱きしめられる。

ここは温かすぎて、息苦しい。

片腕を伸ばして、こたつの外に出した。辛うじて声を出す。

“殺してくれ”。

ジークの手の中に丸くて冷たい物が入ってきた。

腕を縮めて手のひらを見た。小さなみかん。

ソニックが、みかん食えよ、甘いぞ、と言って、テレビのチャンネルを雑にザッピングしながらケラケラ笑った。

勝手にチャンネルを変えまくるな、というシャドウの文句をうっすら聞きながら、ジークは再び意識を遠のかせた。

数刻後、ナックルズがうめきながら目を覚ました。

頭いてぇ、と愚痴りながら起き上がる。

ソニックがこたつで寝るからだろ、と言って、みかんの皮をゴミ箱に投げようとして、シャドウのおでこにヒットさせた。

シャドウがせんべいの袋でソニックを殴りつける。

ナックルズがこたつをめくって腰元を見ると、ジークがナックルズの膝の上で丸まって寝ていた。

やっぱこたつはいいよな、と言って、ナックルズはもう一度こたつに潜り込んだ。

ソニックとシャドウも同時に潜り込んだ。

狭い。ソニックとシャドウが足でお互いを蹴り合う。ナックルズは足で二人の腰を蹴飛ばし、大人しくさせてから、再び眠りについた。

もう一度夢で動物を抱きしめ、フルーツにかじりつく。

ジークがナックルズに抱きしめられながら、ここから出してくれ、とつぶやいた。

ソニックがあくびをしながら言った。

「春になるまで、もう少し閉じ込められてろよ」

四人はそのままこたつでダラダラと惰眠をむさぼり続けた。