解説 第12話

第12話の解説です。

第11では、ハビシュとユニの試練によってナックルズの聖性が証明されました。
しかし、聖母(ナックルズ)を無事救出した英雄にして断罪者のシャドウは、自己断罪によって転落していきます。

聖母の尊厳を守るため聖母を傷つけるという禁忌を犯したシャドウに断罪の刃が振り下ろされます。
冥界の断罪者であるシャドウは、何者に対しても機能を衰えさせません。自分自身の罪に対しても容赦なく断罪を実行します。

そして悪夢に囚われ、自ら聖母への接触を禁じてしまう。

ナックルズは聖母にして大地母神です。動かない。ただ待つ。受け止める。この性質ゆえに、シャドウが断罪の刃によって接触を断つようになっても、ナックルズの方からは求めません。シャドウがナックルズに触れるには、自らの意志でナックルズへ近づかないといけないのです。

お互いの性質ゆえに、関係が断絶状態になってしまいます。

そして偶然の接触をきっかけに、再び両者は接続されます。

そして冥界の断罪者(シャドウ)が聖母の右腕を噛む。

これは第5話で起きた噛みつきと同じで、魂の帰郷です。

帰る場所のない孤独なシャドウの魂が、聖母の右腕を自身の帰属する場所(帰るべき場所)として求め、噛みつくことで帰属を許可されるのです。

聖母(ナックルズ)は理由を求めません。ただ受け止める。欲しいなら与える。シャドウの魂の帰還。ナックルズの右腕が、シャドウの帰るべき場所となる。

そしてこの「右腕を噛む」という行為は、繰り返される事で、「帰還の儀式」となっていきます。

シャドウの「触れたいという欲望」と、「傷つけたくないという恐怖」は、噛む=儀式化という形で安全な形で約束され、制御されるようになります。

そしてシャドウの魂の帰還が儀式化されたところへ、天使にしてトリックスターのソニックがやってきます。

ソニックはシャドウとナックルズの、重く、極端な形になりつつある関係を笑いに変え、軽くして去っていきます。

危うい中に少しの希望をのぞかせながら、関係は途切れず、第13話に続きます。