解説 甘々シリーズ

魂の周回、3周目。「甘々シリーズ」。

甘々というタイトルですが、甘いのは春の陽気に浮かれる大学構内の雰囲気の事です。シャドウの魂は孤独を抱えて暗く沈み、ナックルズもまた人知れず苦悩を抱えて追い詰められています。

シャドウの方は、2周目ほどの暴走はありません。二人とも、記憶はなくてもお互いの魂に惹かれ合う事がなんとなく当たり前になっているので、お互いに無意識にくっつきあい、「何故か安心する」「何故かこれでいいと思う」「何故か抱き合ってしまう」という状態です。好きだとか愛してるだとか、お互いほとんどそういった感情の言語化をせずに、結局二人でただただくっつきあう結末を迎えています。

今回のソニックについて。ソニックは相変わらずナックルズの親友ですが、Terra本編や2周目に比べると、ナックルズからはやや距離を置いて、好き勝手に過ごしています。今生においては、シルバーがナックルズの側にいるからです。ソニックはナックルズの天使ですが、シルバーがナックルズの側で「面倒見のいい友人」をやってくれているので、ソニックは天使の役割から少しだけ降りて、自由を手にする事ができています。ナックルズの日常の細かい世話をシルバーに任せっきりにして、スケボーの世界大会に出たり、ナックルズの様子を細かく観察せずに気楽に過ごしたりと、全力で青春を謳歌しています。その分、今までよりも、ソニックがナックルズの異変に気付くのが遅れてしまいました。

シルバーは今回、天使のソニックの代わりに、常にナックルズの側で彼を支えていました。しかし神話的な役割の座を持っているわけではないので、シャドウとナックルズの持つ強い因果に割って入る事はできません。しかし、最後はナックルズの友人として、天使のソニックへそっと橋渡しをします。ソニックは終盤で颯爽とシャドウをナックルズの元へ導き、苦悩も失敗もなく、自由で無敵な天使としてシリーズで一番スマートな行動を取っています。これは、ソニックの代わりにシルバーがナックルズを支え、ソニックの代わりにシルバーが苦悩や失敗を背負ったからです。ソニックが今まで背負っていた重荷を、シルバーが半分背負っていたためにソニックが自由に動き回れたという回でした。甘々シリーズの影の功労者はシルバーです。