エンジェルアイランドのいつもの小屋。
ソニックが勝手に持ち込んだ赤いリボンが床に散らばっている。
「おいソニック、やめろ。離せ。巻くな。殴るぞ」
そう言いながら、ナックルズはされるがまま。
腕を押さえられ、胸の前でリボンがクロスされ、背中でぎゅっと結ばれる。
「はい完成!プレゼントナックルズ!」
ソニックは満足げだ。
「どこが完成だ、解け。ぐっ……、おい、どこに連れてく気だ!」
ソニックはひょいっと抱き上げる。ナックルズは屈辱と照れで顔が真っ赤だ。
「エミーが見たら絶対喜ぶぞ〜〜」
「やめろ!!おろせ!!!」
パーティー会場に着くと、エミーが目を丸くし、すぐに花のような笑顔を咲かせる。
「ソニック⋯⋯最高のプレゼントじゃない⋯⋯!」
「だろ?ナックルズ、お前、ほら、笑えよ」
「笑わねぇよ!なんなんだ一体!」
でもエミーに優しく頭を撫でられた瞬間、ナックルズの頬や鼻筋が真っ赤になる。
パーティー会場の端っこ。入り口から入れずに、シャドウがしゅんとした顔で仲間たちのやりとりを見ている。
エミーが視線に気付いた。
「シャドウじゃない。こっちへいらっしゃいよ」
「ふす……」
シャドウが悲しそうに鼻息だけで返事をした。
最近色々あったショックでうまく喋れないらしい。
エミーがシャドウの優しく手を取って広間へ招き入れた。
シャドウが物欲しそうな顔で、リボンに巻かれて動けなくなったナックルズを見つめる。
「ぷす⋯⋯」
シャドウが鼻息でナックルズに話しかけた。
「シャドウ?!な⋯⋯なんだよ!そんな目で見るな!」
ナックルズが顔を真っ赤にしたままくねくねと抵抗して逃げようとする。憐れみの目で見られていると思ったらしい。
エミーはシャドウを見て言った。
「よかったら、ナックルズはこのままシャドウにあげるわ。私はじゅうぶん楽しんだから」
シャドウが目をキラキラさせてエミーとナックルズを交互に見た。エミーはナックルズを軽々とお姫様抱っこして、シャドウにそっと渡した。
「私たちの大切なナックルズよ。大事にしてね⋯⋯」
ナックルズはうろたえながらエミーを見た。
「お、おい。どういう意味だ。離せ!」
「ふすー」
シャドウが大事にそうにナックルズを受け取る。ナックルズはリボンを巻かれたまま暴れたが、エミーもシャドウも全く体幹がぶれない。
そのままリボンナックルズ授与式は終わり、シャドウの元にナックルズは無事手渡された。
「うふふ。シャドウ、幸せそう」
エミーがニコニコしてソニックに笑いかけた。
「あーあ。シャドウに渡しちゃったら、もう返ってこないぞ」
「平気よ。絶対大事にしてくれるもの」
シャドウは世にも幸せそうな顔をしてリボンナックルズを抱きしめ、そっと顔をうずめて鼻で息をしていた。
「ふーん⋯⋯すーん⋯⋯」
「なんなんだよ⋯⋯なんなんだよ⋯⋯」
みんなが幸せそうに微笑む中、リボンナックルズだけが顔を真っ赤にしたまま海老のようにピチピチくねくねとシャドウの腕の中ではね続けていた。