シャドウ寿司

シャドウが一日限りで寿司屋の大将をする事になった。

ナックルズがシャドウとセントラルシティを歩いていた時に、寿司屋をみかけて、「たまには寿司を食べてみるってのも悪くないな」とつぶやいたからだった。

さっそく招待を受けたナックルズがやって来たが、何故かソニックもヘラヘラ笑顔でくっついて入ってきた。

「よく来たな、ナックルズ。帰れ、ソニック」

「寿司屋の大将なら“へい、らっしゃい”だろ。寿司のネタが余ったらもったいないだろうから、俺が食べるのを手伝ってやるよ」

シャドウの冷たい態度にめげずに言い返し、ソニックはナックルズの隣りに座った。

シャドウはナックルズのためにいろんな魚を仕入れていたが、確かに余らせるのはもったいないので、ソニックにも同じ物を食べさせる事にした。

まずシャドウは二人に白身の握りを出した。

ナックルズが美味しそうに頬張る。ソニックが食べる前に言った。

「マヨネーズってないか?」

シャドウはわさびをソニックのおでこに練りつけた。

次に貝の握りを出す。ナックルズが食べてすぐ、嬉しそうに言った。

「美味い!俺はこの味が好きだ」

シャドウはジーンと痺れて後ろにのけぞった。ソニックが食べながら言った。

「貝ってちょっとグロテスクな見た目だよな」

シャドウは冷たく言い返した。

「もっとグロテスクな寿司を握ってやろうか。青いハリネズミの握りだ。お望みなら今すぐ捌いてやろう」

シャドウは赤身と青魚の握りを出した。

ナックルズは嬉しそうにモグモグと頬張る。

ソニックはコーラを飲みたがったが、シャドウは熱々の緑茶を嫌味ったらしく丁寧に差し出した。

次にシャドウはトロとサーモンの握りを出した。

ナックルズが大喜びでパクついた。

「美味い!これぞ寿司って感じだな!」

ソニックが横からからかう。

「トロとかサーモンって、子供に人気のメニューだぜ、ナックルズ」

シャドウが半目で突っ込んだ。

「確かに、君の好物のチリドッグと同じ程度には、子供に人気のメニューだな」

最後にシャドウは軍艦巻を出した。

ナックルズはパクパクと食いつき、緑茶をすする。

ソニックは何かを言いかけたが、シャドウが包丁を意味深に構えたので、黙って軍艦を食べた。

寿司を完食したナックルズは笑顔で言った。

「ごちそうさま。全部美味かったぜ。寿司も握れるなんて、シャドウ、お前、本当にすごいな」

シャドウは喜びのあまり感電し、痺れながら後ろにばったりと倒れた。

ソニックは呆れて言った。

「あーあ、ナックルズ、お前のせいでシャドウは多分もう動けないぞ。片付けはお前がやれよ」

ナックルズが慌てて言い返した。

「な、なんでだよ!お前も食ったんだから、手伝えよ」

ナックルズは倒れたシャドウを客席に寝かせて、文句を言うソニックの尻を蹴飛ばしながら、片付けを済ませた。

シャドウが目を覚ますと、ナックルズが膝枕をしてくれていた。

「おう、大丈夫か、シャドウ」

シャドウはそのままゆっくりと目を閉じて昇天した。

ソニックはごちそうさま、と苦笑いでつぶやいて、二人を置いて店を去っていった。