ある日、ナックルズが大鍋でカレーを作ってみんなをもてなしていた。
エミーがご飯少なめでルーたっぷり。
シルバーは笑顔でおかわり。
テイルスはみんなの分のお茶をつぐ。
ソニックはおしゃべりすぎてナックルズに一喝される。
ワイワイみんなでカレーを食べていると、木の陰に黒いハリネズミが隠れていた。
ソニックが気づいて話しかけに行こうとしたが、シャドウはすぐに逃げてしまった。
シャドウはナックルズのカレーが食べたかったが、みんなと横並びになってカレーを受け取る事がどうしても出来なかった。
(ナックルズのカレーを僕一人で受け取りたい。ナックルズのあの笑顔を僕が独占したい。⋯⋯でも、ナックルズの笑顔があるこの空間を壊したいわけじゃない)
では、自分が消えるしかない。
シャドウは少し離れたところでみんなから背を向けて立ち尽くしていた。
カレーの匂いがシャドウのところまでただよってくる。
(ナックルズの⋯⋯カレーの匂い)
フラフラとシャドウは匂いに引き寄せられ、再び木の陰にひっそりと隠れる。
カレーのおかわりを受け取ったソニックはシャドウがまた隠れている事に気付いたが、近付くと逃げるので、気付かないふりをする事にした。
その代わり、ナックルズに話しかけた。
「ナックルズ、お前は食べないのかよ」
ナックルズは丁寧に鍋の中のカレーを混ぜながら言った。
「せっかく作ったカレーを焦がすわけにはいかねぇ。それにカレーがなくなったら、俺はフルーツを食うから別にいい」
「それなら、二人分だけ残しておけよ。俺たちが帰ってから、ゆっくり残りを食べればいいさ」
ソニックは笑って言った。
ナックルズは首をかしげたが、言われた通りにご飯とカレーを二人分だけ残して、カレーの会はお開きになった。
ナックルズが残りのカレーをかき混ぜながら、二人分のカレーをどうするか考えていると、木の陰からフラリとシャドウが顔を出した。
「シャドウじゃねぇか。ちょうどよかった。カレーが二人分残ってんだ。お前も一緒にどうだ?」
笑顔でナックルズが誘う。
シャドウはおずおずとカレーを受け取り、ナックルズと二人でカレーを食べた。
カレーはスパイスがほんのり効いて、甘口で、フルーツ入りのマイルドな味だった。
夕暮れを背にして、ナックルズとシャドウは二人っきりで楽しく片付けをした。