海辺でBBQ開催。
言い出しっぺはシルバー。
参加者はシルバー、シャドウ、ナックルズ、ソニック、キュイ、テイルス、エミー。
肉を焼いてドリンクを飲み、楽しげな時間が流れる。
ナックルズはシルバーとソニックの間で楽しそうに笑っている。
シャドウ、イライラ。
肉も手につけず、砂をいじったり、浜辺をウロウロ。
キュイがシャドウの側へやって来た。
「落ち着け、シャドウ。ナックルズをソニックたちに取られて、怒っているのか」
「僕はそんなに狭量じゃない。ただ、ナックルズのためには、こんな潮気の強い風の吹く悪環境で焼かれた炭くさい焦げた肉なんかより、一流の鉄板で美味しく焼かれた柔らかい高級肉の方が⋯⋯」
「⋯⋯⋯」
キュイが表情のない顔で黙って見つめてくる。
「ナックルズがあんな無邪気な笑顔を僕以外の他人に向けているなんて耐えられない。どうするのがいいだろうか」
シャドウはすぐに本音を吐いた。キュイが眉ひとつ動かさずに言った。
「まずは、本人に向かって正直に本音を吐いてみるか、我慢して平気なふりをするかの二択だが⋯⋯」
「よし、本音を吐いて、今すぐナックルズを僕の家に連れて帰ろう」
即座に背中を向けるシャドウの肩をつかんでキュイが言った。
「待て。それでナックルズの今の笑顔が、君の前で変わらず保たれ続けると思うか?」
「代わりに僕がナックルズを、一流の肉料理でもてなして⋯⋯⋯」
シャドウが目を泳がせながら返す。キュイは真顔で顔を近づけて言った。
「ナックルズは肉が美味いから笑ってるんじゃない。この場の雰囲気が楽しいから笑ってるんだ」
「僕以外のやつらに、あんな無邪気な笑顔を向けるなんて⋯⋯」
追い詰められた顔でシャドウが言った。
キュイは慌てずに主張する。
「その笑顔を君が守ってやったらどうだ。肉が上手に焼けず、飲み物が途中でなくなれば、この場は乱れて、ナックルズの笑顔も消える」
シャドウは秒でキュイの前から消えた。
BBQコンロの前を陣取り、肉の焼け具合を管理しつつ、飲み物を冷やしているクーラーボックスをチェックして、その場の支配者となった。
ナックルズがシャドウの様子に気付いてやってきた。
「そんなに頑張り過ぎんなよ。せっかくみんなで遊びに来たんだ、のんびりやろうぜ」
そう言ってナックルズは無邪気にシャドウに笑いかけ、シャドウの口に肉をひとつ放り入れた。
シャドウは飛び上がって逃亡し、浜辺を三周してようやく帰ってきた。
「ハァッ、ハァッ」
「おっ、シャドウ、一人でマラソン大会か?それなら、俺と競争⋯⋯」
「黙れ。クールダウンするために少し動いただけだ」
ソニックが近付いて来て肩に手を置こうとしたので、シャドウはその手をはたき落として再びコンロの前の支配者と化した。
「クールダウンって、顔真っ赤だぞ。冷たい飲み物でも飲めよ」
ナックルズが、自分の飲んでいたジュースの瓶をシャドウの口にカポリと突っ込んだ。
シャドウは再び飛び上がって逃亡し、岩場を飛んで海の上をあちこち飛び回り、ようやく帰ってきた。
「あはは、シャドウが誰よりも一番この場を楽しんでるなぁ」
シルバーが明るく笑った。
日が沈んでBBQが終わるまで、延々とシャドウはナックルズの笑顔を守り続けた。