シャドウは、倒れたナックルズを小屋のベッドに寝かせた。
シャドウとソニックは、しばらくベッドのすぐ側でナックルズを見守っていた。
少し待ち、ナックルズはぱっちりと目を開けた。むっくりと上体を起こす。
怖がっている様子も、痛がるような素振りもない。シャドウとソニックを交互に見つめて、なんでもない顔で正面に向き直った。
「大丈夫か?何か変な光がお前の身体から出て、俺たち、弾け飛んじまったんだけど」
ソニックが確認した。ナックルズはキョロキョロとあたりを見渡し、考えるような仕草をした。
それから、胸元を抑えて言った。
「なんでもねぇ。ちょっと調子が悪いだけだ。⋯⋯今日はもう、二人とも帰ってくれ」
シャドウは青白い顔で何か言いかけたが、悲痛な面持ちで小屋を出ていった。
ソニックはすぐにシャドウを追いかけて話しかけた。
「気にすんな。お前もナックルズも、調子の悪い時くらいあるさ。また明日、様子を見に来ればいいんだよ」
シャドウは、うめくように声を絞り出した。
「僕がいるせいで、いつもナックルズは⋯⋯」
ソニックは声に力を入れて返す。
「お前のせいでナックルズは落ち着かない。でも、お前に会ったから、ナックルズは俺やテイルス達といる時とは違う喜びを覚えたんだ」
ソニックは諦めない。二人を信じて言葉を投げ続ける。
「逃げるな。ナックルズの気持ちから」
シャドウはうつむいていた顔を上げ、言った。
「喜び⋯⋯」
「わかってんだろ。迷ったら思い出せ。二人で一緒にいた時のナックルズの顔を」
シャドウの瞳に光が差した。光が強く、明るく、揺るぎのないものに変わっていく。
「⋯⋯明日、差し入れを持って様子を見に行く」
「その調子だ」
夕焼けが島を真っ赤に染める。鮮やかな紅が、もうすぐ、濃い色の闇夜を連れてやってくる。
夕日が照らす眩しいほどの赤色を背負い、二人は島を後にした。
翌日から、ソニックは突然忙しくなった。
テイルスがラボの通信機で奇妙な電磁波を受信して、その解析にかかりっきりになっているので、サンプルを収集したり、食事の差し入れをしたり、テイルスの研究のサポートをしていた。
「特定の鉱物が発するテラヘルツ派にそっくりだなと思ったんだけど、ちょっと⋯⋯いや、全然違う。理論上は確かに存在可能だけど⋯⋯とにかく、類似する電磁波を出す鉱石を採取して、比較してみたいんだ。何か大きな発見につながる気がするんだよ」
「OK、テイルス。何言ってるか全然わかんないけど、お前が欲しがってる石を集めてきたらいいんだな」
ソニックは、テイルスが指定した座標の山や、あらゆる鉱物を取り扱っている石材屋を走り回り、リストに並ぶ名の鉱石を集めてはテイスルの元へと送り届けた。
「ふー、楽しいけど、けっこう骨が折れるな⋯⋯まさか石集めなんかのために、またマウントコルに登る事になるなんて思わなかったぜ。これで全部そろったか?」
「まだまだ。順に解析していってるんだけど、一致するデータはみつからないや。はいこれ、次の鉱物リストね」
ソニックはやれやれ、と大げさに首をふって、リストを受け取った。
「テイルス。給料よこせなんて言わないけどさ、せめて三時のおやつくらいは⋯⋯」
「そこの箱からポテチ持ってっていいよ。BBQチリ味あるからね」
箱からBBQチリ味とオニオンチーズ味を取って、二つ交互にバリバリとかみ砕きながら、テイルスのラボから外に出た。
庭先にある木箱に座って、空をぼんやり見上げながらポテチを雑に食べ散らかしていると、視界の隅に見慣れた黒い毛並みのハリネズミが入り込んだ。
「お⋯⋯?」
ソニックはポテチを食べながら、しばらくシャドウをみつめていた。
シャドウは黙ってソニックを見ていたが、やがて何も告げず、そのまま立ち去った。
(なんだよ、陰気臭いやつ。挨拶くらいしろよ)
ソニックはイラッとして無視しようとした。
しかし、しばらく自分がエンジェルアイランドに行ってない事を思い出した。
(やべ⋯⋯、ナックルズ、なんか様子がおかしかったんだよな)
あの時、シャドウが自信を取り戻したように見えたので、シャドウに任せておけば大丈夫だと思い込み、完全にナックルズの事をほったらかしにしていた。
(大丈夫だっての。ナックルズは元々、屈強な戦士だし。本当に何かあれば、俺やテイルスを頼ってくれるはずだしな)
そうは思ったが、シャドウがここへ来て、何も言わずに去ったというのは、どういう事なのか。
たまたま通りがかっただけという事はまずない。
このラボは、シャドウの活動範囲──世界政府の関連施設からは、かなりはずれたところにある。
(陰気臭い上に不穏な予感しかしねぇ)
仕方なくポテチの袋をその場に置いて、シャドウを追いかけた。
とぼとぼと森の脇の小道を所在なさげに歩く、黒い背中が見える。
「こらぁ!通りがかったなら挨拶くらいしろよ、この根暗ハリネズミ!」
ソニックは後ろから叫んで、背中を叩こうとした。シャドウは振り向きもせずに避け、ソニックに向き直る。
「話しかけるなら、もう少し頭の中を整理してからにしようと思っただけだ。別に君から逃げようというわけじゃない」
「あーそうかよ。成長したじゃんか。ついでの親切で、頭の整理もこのまま俺が手伝ってやるぜ。何があった?」
シャドウは目をそらし、考えるような仕草をして、そのまま黙り込んだ。
「ナックルズの事か?今さらお前を責めたりしないって。何か起きたのか」
シャドウはソニックに顔を向け、決心した様子で言った。
「ナックルズの様子がおかしい」
「何をしたんだよ」
シャドウが表情を変えずにすらすらと語りだす。
「僕が彼にどんな過ちをおかしたかと言いたいのか。それを問われるなら、やっぱり僕が彼に出会った事こそが最大の過ちなのかもしれない。僕が彼に抱いているこの気持ちそのものが⋯⋯」
「わかった。もういい。行くぞ。エンジェルアイランドだ」
ソニックはシャドウの肩を叩いて強引に話を切り上げ、誘導した。埒が明かない。
敬虔な牧師のごとく、シャドウの罪の告白を延々と聞き続けるよりも、ナックルズに直接会って状況を確かめた方が早く、そして確実に事態を正確に把握できるに決まっている。
エンジェルアイランドに到着し、二人はさっそく祭壇へ向かった。
マスターエメラルドの前に立つナックルズを見て、ソニックはすぐに異常に気付いた。シャドウの表情が少し固くなる。
祭壇の頂上に立ったナックルズがこちらを見下ろしている。
ナックルズは、濃褐色の古びたフードつきの大きなマントを羽織り、身体全体を包み隠していた。
フードを頭からすっぽりかぶって、表情はほとんど見えない。
ソニックとシャドウが一歩前に出た瞬間、ナックルズはマントから両腕を出し、拳を握り、戦闘態勢を取った。
「シャドウ!なんで戻って来た。二度と島には来るなって言ったろ」
シャドウの表情がさらに固くなる。
シャドウが口を開くより先に、ソニックが眉をつり上げて言った。
「ナックルズ。コスプレパーティーはまた今度だ。俺たちは今、本気でお前の事を⋯⋯」
「冗談言ってんはお前の方だ、ソニック。帰れ。二度とこの島に足を踏み入れるな」
ソニックは言葉を切って祭壇へと踏み出した。
「来るなと言ってんだろうが⋯⋯!」
ナックルズの口調が強くなる。ソニックの歩みが速まる。
「ソニック⋯⋯!」
シャドウが背後から緊張した声をあげた。ナックルズが拳に力を込める。
「帰れって⋯⋯」
「いやだね」
「だったら排除する」
「やってみろよ!」
ソニックが地面を蹴って、ナックルズの元へ一足飛びに近づいた。ナックルズは正面から素早く構え直し、ソニックに左の拳をめりこませた。
衝撃でソニックの身体が地面に叩きつけられ、浮き上がったところに、右の拳で追撃を打ち込む。
たまらずソニックは両手で防御したが、防ぎきれず、後方に勢いよく吹き飛ばされた。
ソニックの身体がゴムまりのように跳ね、はるか遠くの大木に打ち付けられて倒れこんだ。
「ナックルズ⋯⋯!」
シャドウが思わず叫んだ。
ソニックが倒れこむ程の本気の拳。シャドウは激しく動揺した。
「ナックルズ、落ち着いてくれ。二度と来るなと言われたのに、勝手にソニックを連れてきたのは僕が悪かった。ソニックは別に、君の事を⋯⋯」
ナックルズは息も切らさず、低い声で返した。
「関係ねぇよ、どこの誰だろうが。二度とこの島には誰も招き入れねぇ。テイルスやエミーにも伝えておけ。俺は一人でこの島を守って生きていく」
シャドウが悲痛な声で叫んだ。
「何故だ。僕のせいなのか。僕が君を傷つけ続けたから⋯⋯」
「俺は傷ついた事なんか一度もねぇよ。マスターエメラルドの守護者だからな。これからもずっとそうだ」
ナックルズの声は低く、淀みなかった。
ソニックが立ち上がって構えなおし、言った。
「本気で殴りやがったな」
「本気で追い出してやろうっつってんだ」
「やってみろ」
「遊びじゃねぇんだよ!」
ソニックがたまらず飛びかかった。シャドウが制止しようとするが、間に合わない。
「ソニック!冷静になれ、ナックルズは⋯⋯」
ソニックが再び正面からナックルズに突っ込んでいく。
ナックルズは片手でソニックの体当たりを難なく受け止め、再び正面から殴りつけた。ソニックが吹っ飛びながら、空中で回転し、勢いを相殺してもう一度突っ込む。
ナックルズは両手で受け止め、地面にソニックを叩きつけた。
跳ね上がったソニックの身体を、大きく振りかぶった拳で斜め下に吹っ飛ばした。
シャドウは苦い顔をした。
スピード戦が得意で身体の軽いソニックが、力技が得意で重量のあるナックルズに正面から突っ込んでも不利に決まっている。
冷静さを欠いてそこがわからないのか、それとも正面から今のナックルズを否定したいのか。
シャドウはナックルズにどこまでも寄り添いたかった。
今ですら、ソニックを裏切ってナックルズの側に立ちたいという気持ちすらあった。
しかし、今のナックルズに寄り添うという事は、ナックルズの要求を全て飲み込んで去るのが正解だという事になる。
シャドウは何も言えずに、二人の攻防をただ見ている事しかできなかった。
祭壇下へと吹っ飛ばされて転がったソニックが、よろけながら立ち上がった。ナックルズはその場から動かず、静かにソニックを見下ろしていた。
ソニックの瞳が炎をたぎらせて燃えている。
腹の底から湧き上がる感情を噛み殺しながらソニックは言った。
「⋯⋯本気で、⋯⋯本気で、やりやがったな⋯⋯!俺たちの事を、本気で⋯⋯!」
「⋯⋯そうだ。決めたんだ。この島から去れ。俺はもう一人でもやっていける」
ソニックが構えを解いて、前のめりに絶叫した。
「俺たちが一体何をしたってんだ!」
ナックルズは静かに答えた。
「何もしてねぇ。⋯⋯俺がもう決めたってだけだ。俺はマスターエメラルドの守護だけして、この島で一人で生きていく。お前らに心配なんか一切かけねぇ。⋯⋯とっとと消えろ。この島の事は全部忘れろ」
ソニックが目を大きく見開く。
シャドウが息を飲み、半歩前に出た。
ナックルズが深く息を吐き、最後の言葉を吐き出した。
「⋯⋯それで全部、終わりだ」
ソニックは、ナックルズから目をそらした。
考えるように虚空をみつめ、左右にゆっくり首を振り、ナックルズから背を向けて歩き出した。
「⋯⋯帰るぞ、シャドウ」
「⋯⋯⋯⋯」
ソニックは振り向かずに祭壇から離れていく。
シャドウは祭壇を見上げた。
ナックルズは少しずれていた頭のフードをもう一度深くかぶり直し、マントを整え、再び五体の全てをくすんだ濃褐色のマントですっぽり包み隠した。
シャドウは名残惜しそうにナックルズを見上げていたが、うつむき、少し考え、それから急ぎ足でソニックを追いかけた。
島の果てまで歩いて、ソニックが吐き捨てるようにシャドウに言った。
「俺がどれだけ今まであいつの事を!全部無駄だった。⋯⋯何も伝わってねぇ!」
「ソニック」
「何があっても結局一人で抱えて引きこもって。島とマスターエメラルドにしか興味を持たねぇ。⋯⋯なんにも。なんにも、変わってねぇ!」
ソニックの拳が震えていた。シャドウはソニックを静かにみつめていた。
「ソニック⋯⋯」
「俺がどれだけの気持ちでずっと側にいたか!何かが欲しかったわけじゃない!ただずっと俺は⋯⋯!」
シャドウの瞳の中の光が、静かにソニックを捉えた。
「ソニック。違う」
ソニックの肩が少し揺れた。
「ナックルズは苦しんでいる」
シャドウは静かに続けた。シャドウにはひとつの確信があった。
「ナックルズは本気で僕たちを追い出そうとしている。それは事実だ。でも苦しんでいる。理由はわからないが⋯⋯」
ソニックが振り向き、シャドウをにらみつけて言い返した。
「お前に何がわかるってんだよ!今まで散々ナックルズの心をひっかきまわして苦しめてきたのは、」
「僕だ」
シャドウが迷いなく答える。まっすぐソニックを見る。
「僕がずっと、僕のせいで、ナックルズを苦しめてきた。そして君に教えてもらった。ナックルズの気持ちから逃げるなと」
「僕は逃げたくない。ナックルズは今僕たちを追い出したがっている。でも何かに怯えてもいる。彼を傷つけたいわけじゃない⋯⋯でも、」
「逃げたくないんだ」
シャドウはそう言い切ると、振り返り、祭壇に向かって走り出した。
ソニックはつられてシャドウを追いかけた。
考えがまとまらない。でも走る事はできる。何を信じればいいのか。何を信じていたのか。
(そうだった⋯⋯俺はずっと)
拳に力を込める。
足を一歩一歩、強く蹴りだす。
(こいつらを信じてたんだ。こいつらなら⋯⋯いつかきっと、二人で、って)
祭壇が見えた。
濃褐色のマントを着込んだ赤い毛並みが、ぽつんと、横に伸びていた。
ソニックは目を見張った。
「ナックルズ!」
シャドウとソニックは祭壇を一気に駆け上がる。
ナックルズはマスターエメラルドのすぐ近くで、横になって倒れていた。
ソニックが辿り着くよりも早く、シャドウが素早くナックルズを抱え起こそうとして、手を引っ込めた。
「どうした?!」
「なんだ⋯⋯異様な⋯⋯威圧感が⋯⋯」
ナックルズがもがき苦しみながら、地面にのたうち回った。
「が⋯⋯あ、あ⋯⋯⋯く、来るな、やめろ、誰だ⋯⋯⋯」
ソニックは構わずナックルズの身体を無理やり抱き起した。ナックルズが海老反りになってもがいた。
「や、めろ⋯⋯!はなせ、だれだ、⋯⋯来⋯⋯るな⋯⋯!」
「ナックルズ!俺だ、ソニックだ!どこか悪いのか?!」
ソニックがナックルズを押さえつける。
シャドウが素早くマントをはぎ取った。
マントをはがされ、あらわになったナックルズの姿を見て、ソニックの目が凍り付いた。
ナックルズの胸元には、不気味に赤く光るエネルギー状の渦が浮き上がっていた。
ナックルズの全身は熱を帯びて、顔は赤く、額には脂汗が浮かんでいる。シャドウの目が細く冷たくなった。低い声で静かにつぶやく。
「マントで隠していたのはこの光の渦か。それと体調不良」
シャドウは、硬直して動こうとしないソニックからナックルズを奪い取り、腰の上に抱き、気道を確保させながら脈を計った。
そして、胸の上で渦巻く円形の光に、慎重に手を伸ばした。
瞬間、ナックルズがのけぞって悶絶した。
「があああっ!あっ、あぐっ、あがっ、はなせ⋯⋯⋯!あっ、くるな、来るなぁ!」
シャドウは慌てて光の渦から手を離し、ナックルズを抱きしめて抑え込んだ。
「はなせ!くる、だれかがくる、逃げろ⋯⋯⋯お、俺に近づくな⋯⋯!」
ナックルズがシャドウの腕の中でもがいて暴れる。
「離すものか!二度と!永遠に!僕の側から!」
「はなせ!どっかいけ!あぐっ、だ、だれもちかづくな!あああ!」
ナックルズが泣きながら暴れ狂った。
シャドウは腕にめいっぱい力を込めて耐え続けた。ソニックが、はっと我に返り、ナックルズに手を伸ばしたその時、
とてつもなく大きな衝撃波が発生し、ソニックとシャドウは二人そろって祭壇から吹き飛ばされた。
身体を強く打ちつけ、ソニックが首を抑えながら祭壇を見ると、祭壇は赤く大きな球体の光に包まれていた。
慌てて立ち上がって祭壇をにらむ。
赤い光の中心に倒れたナックルズが見える。
「ナックルズ!」
ソニックが駆け出すより先にシャドウが赤い光の中に突っ込もうとしたが、再び大きな衝撃波が届き、二人はとうとう島の外まで吹っ飛ばされた。
ソニックの耳元にナックルズの声が遠く響く。
「⋯⋯⋯島から、離れろ!⋯⋯⋯二度とこっちへ近づくんじゃねぇ!」
ソニックが空中で体勢を整えようとしたその時、後ろからシャドウに身体を掴まれた。
気付くと、空間の歪みに包まれ、シャドウと共に、カオスコントロールでテイルスのラボの近くの小道に立っていた。
慌ててソニックはシャドウに食ってかかった。
「シャドウ!なにしやがる!急いでナックルズを助けないと!」
「冷静になれ。助けたいなら、なおさらな。あの光をなんとかしないと、近づいたところでどうにもならない」
シャドウは冷たい目で言った。ソニックがついとがめる。
「なんでお前はそんなに、冷静⋯⋯⋯」
「怒って先走るのは君やナックルズの役目。僕は、それを引き戻す係なんだろう。ハビシュとやり合った時に君が言った言葉だ」
ソニックは、かつてオレンジロードの敵拠点で、ハビシュ一味と通信でやり取りした時の事を思い出した。
ナックルズをだしにして挑発されたシャドウが逆上した時に、ソニック自身がシャドウに向けて放った言葉だった。
「⋯⋯⋯そうだけど、実際やられるとなんかむかつくな」
ソニックは頭をかきながら、シャドウを軽くにらみつけた。
その時、ソニックの携帯端末に着信があった。
「ああ⋯⋯⋯テイルスからだ」
そういえば、テイルスに頼まれていた鉱石のサンプル集めが投げっぱなしになっていた。
慌ててソニックは端末を操作してテイルスに応答した。
「テイルス⋯⋯悪いけど、今、ナックルズが大ピンチでさ。サンプルの収集どころじゃあ」
「エンジェルアイランドにいるの?ちょうどよかった。例の電磁波、エンジェルアイランドを起点に発生してるかもしれないんだ。さっき大きな衝撃波が立て続けに発生したからわかったんだけど⋯⋯」
ソニックの目の色が変わった。
シャドウが素早く反応する。ソニックは即座にテイルスに応答した。
「テイルス。すぐそっちへ向かう。ナックルズの事で相談がある」
着信を切ると同時に、二人は風よりも速くテイスルのラボへ駆けていった。