大神殿の奥の部屋。
ナックルズは、床から伝わる大きな振動でぱっちりと目を覚ました。
(爆撃か)
動かずに天井を見つめていたが、二撃目の振動を受けて、むっくりと上体を起こした。
部屋を見渡す。ジークがいない。
入り口の方を見ると、赤い光の膜が今も扉の上に張られていた。
薄暗がりの中、天窓から月明かりが漏れている。
もう一度爆撃音が響く。今度はさっきのものより、距離が近い。
(爆撃がこの部屋に直撃する事を想定したとすると、方向的には⋯⋯)
ナックルズは、ついいつもの癖で、戦う準備をしようとした。
入り口の方を向く。
その時、寝る前とは違う違和感に気付いた。
(ジークの赤い光が、弱まってる⋯⋯?)
扉に張られた赤い光の膜は、呼吸するかのように揺らめき、薄くなったと思いきや、慌てたように強い光に戻る。
「ジーク。お前、大丈夫か」
思わず赤い光に向かって話しかけた。
返事はない。赤い光が揺らめく。
強がっているかのように、一瞬だけ強い光を放った。
「おい、無茶すんな。何かあったのか」
ナックルズは嫌な予感がして、赤い光に近付き、指先でそっと触れた。
「痛っ⋯⋯!」
ビリビリと指先から腕にかけて激痛が走る。
赤い光がナックルズを拒むかのようにさらに強く弾け、ナックルズは半歩後ろにのけぞった。
その時、耳元でかすかに誰かの声が響いた。
(まぬけ。扉に、近付くな⋯⋯)
ナックルズは目を見張って、辺りを見渡し、叫んだ。
「ジーク!どうした、戻ってこい!何かあったんだろ!」
消え入りそうなほど薄く揺らめいていた赤い光の膜が、叫び声を受けてもう一度強く光り直した。再び誰かの声が響く。
(暁の船団は、お前が花嫁としてそこにいる事に、まだ気付いていない)
かろうじて聞き取れるかすかな声が、ナックルズを焦らせた。
「そんな事聞いてねぇ。そっちはどうだって言ってんだ⋯⋯!」
(部屋から絶対に出るな。少なくとも、一晩だけなら、お前を⋯⋯)
「話を聞け!ぶっ飛ばすぞ、馬鹿野郎!」
赤い光の膜が、強くきらめき、扉の外から再び誰かの呻き声と倒れる音が聞こえた。
「ジーク!ふざけんじゃねぇ!」
叫びながらナックルズは赤い光の膜に殴りかかった。
拳が赤い光に大きく重なった瞬間、全身に激痛が走り、ナックルズは後ろに大きくのけぞり、転がった。
「があぁぁぁぁ!ぐうぅうう!ああああ!」
それでもナックルズは立ち上がり、もう一度全身をぶつけながら殴りにいった。
再び全身に激痛が走る。
それでもナックルズは構わず身体を前に押し込んだ。
「んぎぃぃぃ!おらあああ!」
バリバリと音を立てて赤い光がきしむ。全身が裂けるように痛む。
「がああああ!うおあああ!」
痛みを無視して、拳をもう一度振りかざし、扉を思い切りぶん殴った。
大きな音を立てて、扉がバラバラに砕け、赤い光の膜に大きな穴が穿たれた。
ナックルズはそのまま前に倒れこんだ。扉の破片ごと、派手な音を立てて、部屋の外に転がり出る。
「ぐおっ、んぐぅ、いでで」
扉の破片にまみれながら、ナックルズは上体を起こし、後ろを振り向いた。
赤い光の膜は、ど真ん中に穿たれた大きな穴が広がっていき、揺らめきながら、虚空に消えてしまった。
「ジーク!大丈夫か!」
叫びながら破壊された入り口にかけよる。
何も反応がない。
辺りが静寂に包まれる。
赤い光の膜は完全に消え失せ、何の気配も感じ取れなくなってしまった。
「くそ⋯⋯なんだってんだ」
わずかに身体に残された痛みをこらえ、周囲を見渡すと、扉の左右に男たちが山積みになって倒れているのに気付いた。
きらびやかな衣装に身を包んだ男たち。
昨日、ナックルズが広間の台座に運び込まれた時に、見学にやってきた連中のようだった。
昨晩から立て続けに聞こえ続けていた、呻き声の正体。
ナックルズの部屋に侵入しようとして、ジークの赤い光の膜にやられたらしい。
昨日のジークの言葉を思い出す。
“お前、この部屋に閉じ込められている事が一体どういう意味か、本当にわかってるのか”
ぞわっと鳥肌が立った。
意味はわからない。
ただ、ジークが自身の誓いを、身をもって貫き通していた事はわかった。
その時、振動と共に、再び背後から爆撃音が響いた。
周囲に警備兵はいない。
ナックルズは、迷いなく音の響いた方向を目指して駆け出した。
(ジークを探す。籠入りがどうだの俺の立場がどうだのは、その後だ)
神殿の中央を通る大回廊には多くの警備兵が立っていた。
ナックルズは警備の目をくぐり抜けながら、外に出れる道を探し、迂回して、神殿の外側にある回廊へ飛び出した。
柱の隙間から神殿の外に広がる庭園を見渡した。
視界の先の庭園の入り口付近に、黒い噴煙がいくつか立ち上っている。
「警備兵が重装備だったのは、この爆撃に備えてたんだな。この国は今、戦争真っ只中ってわけか。それよりも、ジークを探さねぇと」
ナックルズは噴煙から目をそらし、回廊の先へ進もうと身体を反転させようとした。
その時、
空が赤く光り、巨大な円形の魔法陣がいくつも上空に映し出された。
魔法陣が回転しながら、赤い光の束を、雨のように地上に降り注がせた。
ナックルズは目を見張り、身体を硬直させた。
「あの赤い光は⋯⋯ジークの魔法か?!」
ナックルズは身を乗り出して空に向かって叫んだ。
「ジーク!何やってんだ!こっちへ戻って来い!」
魔法陣は緩やかに、無情に回転を続け、赤い光の束を再び雨のように降らせる。
ナックルズは拳を握りしめ、構えながらも、立ち尽くして考えこんだ。
ナックルズのいる位置から魔法陣はどれも遠い。
あれがジークの放った魔法陣なのかもわからず、ジークが魔法陣の近くにいるかどうかも定かではない。
「くそっ、順番に走っていって、確かめるしかねぇか⋯⋯」
ナックルズが走り出そうと構えなおしたその時、爆撃と同時に、大型の無人機が上空を翔けるのが見えた。
思わず無人機に首を向けたその時。
無人機に向かって飛び込む、二つの光が見えた。
青い閃光。
黒い稲妻。
握っていた拳から、力が抜けた。
「ソニック⋯⋯⋯⋯」
青い閃光が遊ぶように挑発し、黒い稲妻が容赦なく無人機を撃ち落とした。
「シャドウ⋯⋯⋯⋯!」
身体が震える。言葉が出ない。
二人が来た。
戦っている。
迷いもなく、まっすぐに、自由に空を駆け回っている。
ナックルズは、全身の力が抜けて、その場にへたり込みそうになった。
必死でこらえて構えなおすと、背後から声が聞こえた。
「あ、は、花嫁が⋯⋯?!」
振り向くと、気の弱そうなコルタ族らしき神官が一人、ナックルズに驚いて立ち尽くしていた。
ナックルズはすかさず神官の首をひっつかんで問いただした。
「正直に答えたらなんにもしねぇ。人目につかずに、戦闘が起きてる、あっちの方に行きたいんだ。ちょうどいい抜け道があるなら教えてくれ」
「あ、だ、駄目、花嫁は、神殿から出たら⋯⋯」
「必ず戻ってくる。こっちにだって、譲れねぇものがあるんだよ」
ナックルズは神官を真正面から睨みつけて言った。
神官が怯えながら答えた。
「あ、ふ、古い地下道があるので、神殿から出るなら、地上よりそっちの方が⋯⋯」
「よーし、地下道の入り口まで案内しろ。大丈夫、お前に怪我はさせねぇよ」
ナックルズはニカッと笑い、神官を抱え、地下道に向かってまっすぐ走り出した。
「あーくそ、きりがねぇや!」
広大な庭園の中央部。
大型無人機を撃ち落としたシャドウの背後で、周辺に群がる小型機を撃墜しながらソニックがめんどくさそうにぼやいた。
「もう敵の攻撃なんて全部無視して、神殿まで突っ込んじまおっか?」
「ふざけるな。敵は必ず追撃を仕掛けてくる。神殿が破壊されて、ナックルズが怪我でもしたらどうするつもりだ」
ソニックが舌を出しながら無人機の銃撃を避けて叫んだ。
「そんなヤワなやつじゃねぇって!ナックルズなら⋯⋯」
「彼の身体が万全な状態ならな。連行された目的を考えると、動けない状態にされていても不思議ではない」
ソニックは口をつぐんだ。
思わずシャドウの顔を見る。表情は見えない。
その時、上空からの異様な気配を察知して、シャドウが立ち止まって構えなおした。
ソニックもつられて空を見上げる。
赤く巨大な円形の魔法陣がいくつも上空に現れ、魔法陣から、雨のように赤い光の束が降り注いだ。
「なっ⋯⋯あれは⋯⋯ジークの魔法陣か!」
ソニックが魔法陣を見上げて叫んだ。
雌伏の谷で見た赤い魔法陣と見た目はそっくりだった。
しかしあの時の魔法陣より、桁違いに大きく、また、光の束による攻撃というのは見覚えがない。
「プリズムの気配はあるのに、かつて時空の狭間で対峙した時の、ジークが放っていた強い圧がない。奴の意志を全く感じ取れない」
シャドウが構えながら言った。
「ジークの攻撃じゃないって事か?」
「クリムゾンプリズムの力を使った攻撃である事は確かだ」
再び背後から迫ってきた無人機を撃墜させつつ、再び魔法陣を二人で見上げたその時。
──苔のような赤い光に頭部を侵食された市民たちが、よろよろと二人に向かって近付いてきた。
「な⋯⋯なんだこいつら?!」
「もしや、雨のように降ってきた先ほどの赤い光の束の影響か」
二人は慌てて背中合わせに構えなおした。
「よう、お前ら、頭の赤いのお洒落だな。なぁ、ちょっと通してもらっていい?」
「無駄だ。正気を失っている」
シャドウは攻撃を仕掛けるか迷った。
出で立ちからして、兵や神官ではなく、完全に巻き込まれただけの無害な一般人だった。
無人機が背後から再び迫ってくる。
ソニックが無人機を睨みつけ、シャドウが赤い苔に侵された人々に向かって構えた瞬間、真横で大きな爆発が起きた。
「シャドウ!ソニック!こっちだよ」
爆風で赤い苔に侵された人々がよろけて動きを鈍らせた。
その隙に声の聞こえた方に、二人が素早く駆けていく。
ハビシュがバズーカを抱えて、地下へ続く階段へ二人を誘導しようとしていた。
「ハビシュ?!」
「地下道、地下道に入るんだ。地図はないけど、情報はあるから⋯⋯」
ハビシュの誘導に従い、二人は地下道への階段を駆け下りて言った。
薄暗い地下道。
水の流れる音が響く。
遠くで爆撃音。
天井近くの小さな窓から、月明かりが差し込んでいる。
水はけの悪い、苔むした石畳の地下道の中に降り立ち、ハビシュは早口で二人に説明した。
「壁の、これ、赤い紋章のプレート。下二桁が01の道が、神殿に続く道。矢印の向いてる方ね。この道が一番幅広だから、多分迷いにくいと思う。地図はないけど、神殿の関係者がたまに使ってるって。崩壊はしてない。ここより低い場所へ向かう階段には入らない事。未確認。地下空間特有の有毒ガスの滞留、窒息の危険性がある」
ソニックがうなずいて言った。
「プレートを見ながら道なりに進めばいいって事だな、ハビシュ、サンキュー」
しかし、シャドウが険しい顔をしてハビシュを問い詰めた。
「ハビシュ。計画通りなら、お前と僕たちは合流しないはずだった。他のエージェントにお前の動向を探られてしまうからだ。なぜこっちへ来た」
ハビシュが両目をぐるぐるさせながら興奮して言った。
「神殿の正面で世界政府と手を組んだ開国派が待機してる。シャドウがかち合ったら、後で不味い事になるよね。地下から行った方が、多分衝突しづらいんだぁ。爆撃を受けて、情報端末が壊れた。直接連絡するしか⋯⋯」
そこまで言って、ハビシュは天を仰ぎ、泣きそうな顔でバズーカを投げ捨てた。
「あああ⋯⋯⋯端末が壊れたせいで、持ち場から、勝手に離れちゃった。僕はもう駄目だ。僕がおかしな動きをした事はバレる。僕を待っててくれているリーダーにも迷惑がかかる。役に立てなかった。僕はもう終わりだぁ」
ソニックが何か言いかけようとしたが、シャドウが制止し、ハビシュに言った。
「勝手に諦めるな。僕たちはまだ戦っている。お前も急いで自分の持ち場へ戻れ」
ハビシュはピタリと動きを止めて、両目をぐるりと回すと、バズーカを拾いなおして言った。
「⋯⋯なんとか言い訳してみる」
ソニックが笑って言った。
「可愛い女の子でも見かけて、つい追いかけて行っちゃったんだよな。きっとみんなわかってくれるぜ」
走りかけたハビシュが、振り向いて言った。
「ナックルズを⋯⋯」
「必ず助ける。三人でな」
ソニックが返した。ニィ、と薄く笑い返して、ハビシュは走り去っていった。
地下道の天井から振動が響く。遅れて小さく爆音が届いた。
二人は再び走り出した。
プレートの番号を確認しながら、道なりに進んだところで、足音を察知し、二人同時に立ち止まった。
横の通路から、ぞろぞろとコルタリアの警備兵が侵入してきた。
頭部には赤い苔が生えている。
「勘弁してくれ、俺たちちょっと忙しいんだ⋯⋯」
ソニックが言いかけたが、警備兵が一斉に重火器を構える。
シャドウの瞳に殺気がこもる。
その時、右から順番にボコボコと音を立てて、警備兵が倒れていった。
最後の一人が崩れると同時に聞きなれた荒っぽい声が響く。
「おらよ!」
倒れた警備兵の背後には、白百合の花冠を被った、赤いハリモグラが拳を突き出して立っていた。
「⋯⋯⋯ナックルズ⋯⋯!」
ソニックが驚いて飛び上がる。
ナックルズが頭を掻きながら言った。
「よう、お前ら。来てたなら言えよ。ここまで迎えに来るの、大変だったんだぜ」
シャドウがゆっくりと前に出た。
ナックルズが気付いて、シャドウに向き合った。
シャドウが一歩、また一歩、ナックルズに向かって歩いていく。
ナックルズは立ち止まって動かなかった。
──窓から差し込む月明かりの中。
苔むした地下道の石畳の上。
シャドウは、ゆっくりとナックルズに向き合い、そっと正面から抱きしめた。
ナックルズは両手をシャドウの背中に置き、目を閉じた。
静寂が二人を包む。
ただ二人で、お互いの鼓動をそっと噛み締めていた。
ソニックは静かに目をそむけ、天井近くの古い窓から差し込む光の筋を、黙って見つめていた。
やがて、シャドウが両腕に力を込めて言った。
「⋯⋯君が欲しい。永久に。この手を⋯⋯二度と、離したくない」
月明かりが赤と黒の、二人の毛並みを照らしている。
白百合の花冠が月明かりに浮かび、白く光っている。
ナックルズの背中で、花冠のベールがゆっくりと揺れた。
ナックルズはまっすぐにシャドウを見つめた。
シャドウはまっすぐにナックルズの目線を受け止めた。
ナックルズがシャドウの肩に手を置き、ひと呼吸置いて言った。
「俺はジークのところへ行く」
時が止まった。
シャドウが目を大きく剥いて、身体を硬直させた。
ソニックは口元を大きく歪め、絶望の表情でナックルズを見た。
数拍置いて、ソニックが裏返った声でナックルズを咎める。
「⋯⋯ナックルズ、お前なぁ、今は⋯⋯お前、⋯⋯よりにもよって⋯⋯」
シャドウがすがるように言った。
「ナックルズ。僕は⋯⋯⋯」
「俺は譲れねえ」
ナックルズは視線をそらさずに真っすぐ言った。
「シャドウ。俺は⋯⋯⋯俺は、⋯⋯戦えるんだ」
背中の白いベールが大きく揺れた。
ナックルズは強く握りしめた右の拳を前に掲げて続ける。
「ジークが一晩、俺を守ってくれてたんだ。シャドウの代わりだって。命をかけて。今度は俺がジークを助けに行く。俺がジークを守る」
シャドウはナックルズの目から逃げずに、見つめ合ったまま尋ねた。
「ジークは今、何をしているんだ」
「わからねぇ。でも多分また酷い目にあってる。あいつ、絶対助けてって言わねぇんだ」
シャドウは少し目をそらし、考えた。
そして、首を左右に振りながら、大きくため息をついて言った。
「なるほどな。君とご同類か」
ナックルズの顔が少し赤くなった。
「う、うるせぇな。俺はこないだちゃんと言おうとしたけど、ソニックが⋯⋯」
「あーあー、マジで俺が悪かったよ!それより、行くなら行くで、急いだ方がいいんじゃないか?」
ソニックが肩をすくめながら二人に歩み寄っていった。
シャドウがナックルズに尋ねる。
「ジークはどこにいる」
「それもわからねぇ。少し前まで一緒にいたんだけど、行方がわからなくなって、困ってんだ。多分動けなくなってる。俺の目の前で、赤い光が弱って消えたんだ」
シャドウが素早く両手を構え、カオスコントロールを実行した。
空間が不快な音を立ててきしむ。
「神殿へ向かおう。カオスコントロールを使おうとした時の空間のきしみは神殿を軸に起きている。つまり、神殿の中のどこかにクリムゾンプリズムの本体⋯⋯それが埋め込まれた女神像が神殿内のどこかにあるはずだ」
ナックルズが首をかしげる。
「女神像?」
「クリムゾンプリズムの力を使って、ジークの魔法陣を発生させている者がいる。ジーク本人か、あるいはジークの力を利用した何者か。そいつは恐らく、クリムゾンプリズム本体の近くにいるはずだ」
シャドウの説明を聞いて、ソニックがトン、と地面を蹴った。
「善は急げだな。行こうぜ、二人とも」
ソニックが真っ先に駆け出す。その後ろから、シャドウとナックルズは並んで走り出した。
「ところでナックルズ、お前、その花冠、なんなんだよ」
「あー、これは、はずせねぇ。俺の一族の責任だ。俺が被ってないと駄目なんだ」
走りながら、ソニックの質問にナックルズが答えた。
「ふーん。似合っちゃいるけど⋯⋯」
「一人で背負い込まないでくれ。僕も一緒に背負う。一族の責任だろうと、花冠だろうと」
ソニックの適当な相槌に被せるように、シャドウが言った。
ソニックがからかうように笑って返す。
「おそろいの花冠か。今度イルダに作ってもらおうぜ」
地上の爆撃音を背中に聞きながら、三人は神殿へ向かって加速した。